
1枚の画像が物語を語れるなら、動画は世界をまるごと築き上げられます。
クリエイターにとって、生成動画は究極の自由です。あらゆるアイデア、感情、物語を可視化できるのですから。しかし実際には、プロンプトを入力して生成を押し、うまくいくよう祈るという、当てずっぽうの作業になりがちでした。キャラクターの一貫性、シネマティックな奥行き、まとまりのあるストーリーテリングという壁に、多くの人が足止めされてきました。
このガイドでは、Veo 3.1による新しいクリエイティブのアプローチを紹介します。Veo 3.1は、生成動画をランダムな出力 から演出された映画制作へと進化させる最新モデルです。Veo 3の基盤をもとに、プロンプトの精度と映像・音声の忠実度が向上しており、特に画像を動きに変換する場面で効果を発揮します。
このガイドでわかること:
Veo 3.1の クリエイティブ機能のすべてを、Vertex AI
で確認するシーン演出のフレームワーク を使って、キャラクターとビジュアルスタイルの一貫性を保つ
プロの映画技法で、シネマティックなショットと音声を演出する
Veo + Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana) を組み合わせ、高度なマルチモデルのストーリーテリングのワークフローを実現する
Veo 3.1のモデル機能
クリエイティブな演出に入る前に、Veo 3.1 に何ができるかを理解しておくことが大切です。このバージョンでは、Veoの基本的な強みに加えてネイティブの音声生成を統合しており、映像だけでなく、映像と音声がそろった完全な瞬間をデザインできます。これらの機能はまだ進化の途中であり、皆さまのフィードバックが改善に直接つながります。
主な生成機能
高品質な動画出力: 映画のような鮮明さを持つ720p または1080p の解像度で動画を生成できます。
柔軟なアスペクト比: フォーマットに応じて、16:9 (横向き)または9:16 (縦向き)を選べます。
可変の長さ: さまざまなストーリーテリングのニーズに合わせて、4秒、6秒、8秒 のクリップを生成できます。
音声とセリフの生成: Veo 3.1は、環境音やバックグラウンドサウンドから複数キャラクターの会話まで、プロンプトに沿ったリアルで同期した音声 を生成します。
シーン理解の向上: モデルがストーリーの流れや映画の文法 をより的確に解釈できるようになり、キャラクター同士のやり取りが豊かになり、物語のつながりもなめらかになりました。
高度なクリエイティブコントロール
画像から動画へのアニメーション: 静止画を、より高いプロンプトの精度 と向上した映像と音声の忠実度でアニメーション化できます。
一貫したビジュアル要素(「ingredients to video」): シーン、キャラクター、スタイル の参照画像を渡して、ショット間の連続性を保てます。同期した音声にも対応しました。
開始フレームと終了フレームのトランジション: 2枚の画像を、音声のトランジションも合わせて、シームレスに一貫したモーションクリップ へつなげられます。
オブジェクトの追加・削除: 既存の動画に要素を加えたり取り除いたりしながら、元のシーン構成を維持できます。(注:この機能は現在Veo 2エンジンを使用しており、音声は生成されません。)
デジタル透かし: すべての出力にSynthID が埋め込まれ、AI生成であることが示されます。
効果的なプロンプトの公式
構造化されたプロンプトは、予測しやすい高品質な結果につながります。次の5つの要素からなるフレームワーク を使えば、Veo 3.1が映画のような精度で解釈できるプロンプトを組み立てられます。
[撮影技法] + [被写体] + [動作] + [状況] + [スタイルと雰囲気]
撮影技法: フレーミング、カメラの動き、レンズの種類を指定します。
被写体: 主要なキャラクターや注目させたいオブジェクトを示します。
動作: 何が起きているか、被写体がどう振る舞うかを描写します。
状況: 場所、環境、時間帯など、シーンの設定を加えます。
スタイルと雰囲気: 照明、トーン、ムード、芸術的な処理を定義します。
プロンプト例:
欠かせないプロンプトのテクニック
プロンプトの構造を使いこなせるようになると、動画生成をフレーム単位で細かくコントロールできます。次の原則は、シーンに何が映るかだけでなく、それがどのように 見え、感じられるかを形づくる、撮影監督のような考え方を身につける助けになります。
撮影技法の言語
プロンプトの[撮影技法] の要素は、シーンの視点、リズム、感情といったビジュアル言語を定義します。カメラの言語を理解すれば、プロンプトは単なる描写から、本物の演出メモへと変わります。
カメラの動き
動きは感情の流れと視聴者のエンゲージメントに影響します。モーションの指示を使って、観客の注意を導いたり、情報をダイナミックに見せたりしましょう。
例:
ドリーショット、トラッキングショット、クレーンショット、空撮、スローパン、手持ちショット、POV(主観視点)ショット。
プロンプトの例:
孤独なハイカーの低い位置から始まり、上昇して朝霧に包まれた広大な渓谷を見せるクレーンショット。霧の中から太陽が顔を出し、シーンを金色の光で包み込む。シネマティックなファンタジーのトーン、心を鼓舞する壮大さ。
構図:フレーミングは、焦点と感情的な距離感を決めます。カメラが被写体にどれだけ近いか、複数の要素がフレームをどう分け合うかを指定しましょう。
よく使うフレーミングの用語:ワイドショット、ミディアムショット、クローズアップ、エクストリームクローズアップ、オーバーザショルダー、ツーショット、ローアングル、ハイアングル。
レンズとフォーカス:レンズとフォーカスの設定は、奥行き、スケール感、雰囲気に影響します。リアルさやスタイライズの度合いを微調整するのに使いましょう。
取り入れたい技法:浅い被写界深度、広角レンズ、マクロフォーカス、ソフトフォーカス、パンフォーカス、望遠圧縮。
浅い被写界深度の例
プロンプト:非常に浅い被写界深度のクローズアップ。若い女性の顔、バスの窓から過ぎゆく街の灯りを眺め、ガラスにはその姿がかすかに映っている。嵐の夜のバスの車内、冷たい青のトーンによる物憂げなムード、ムーディー、シネマティック。
サウンドステージを演出する
Veo 3.1では、映像を作るだけでなく、映像と音声がそろった体験全体を指揮できます。モデルは書かれた指示を読み取り、シーンのトーンやペースに合ったセリフ、環境音、的確な効果音を生成します。テキストを、視覚と聴覚の両方のための脚本として扱いましょう。
セリフ:話す内容は引用符で囲んで明確に示します。こうすることで、Veoがシーン内で自然なタイミングでセリフを入れられます。
例:
女性が言う。「今すぐここを出なきゃ。」
効果音(SFX):効果音は、短く具体的な指示で明確に描写します。映像の動きに合った内容にしましょう。
例:
SFX:雨が降り始めると、遠くで雷が轟く。
環境音:シーンの感情的な質感を形づくる背景の雰囲気を定義します。さりげない環境音が、リアリティと没入感を高めます。
例:
環境音:宇宙船のブリッジの低いうなり、遠くのビープ音とかすかな無線のやり取りが時折響く。
ネガティブプロンプトを使いこなす
ネガティブプロンプトを使うと、不要な要素からモデルを遠ざけられます。単に望まない ものを書くのではなく、明確な描写によって「ないこと」が伝わるようにシーンを描きましょう。
例:
「人工物なし」と書く代わりに、 次のように書きます。
「道路や建物に手つかずのまま、どこまでも広がる不毛の大地。」
このアプローチにより、構図がすっきりして、生成された動画があなたのクリエイティブな意図と正確に一致します。
高度なクリエイティブワークフロー
詳細なプロンプト1つでも優れた結果は得られますが、構造化された複数ステップのワークフローを使えば、はるかに高い精度とクリエイティブコントロールが得られます。工程を明確な段階に分けることで、カメラワーク、感情のペース配分、ビジュアルの一貫性をより効果的に計画できます。
以下のワークフローは、Veo 3.1の 新しい映像・音声機能とGemini 2.5 Flash Image(Nano Banana) を組み合わせて、複雑なクリエイティブのアイデアを実現する方法を示しています。
これらのワークフローは、そのままAtlabs上で実行できます。両方のモデルがシームレスに統合されているため、プラットフォームを離れることなく、各ステップの生成、接続、改善ができます。
ワークフロー1:「最初と最後のフレーム」によるダイナミックなトランジション
この方法では、2つの異なる視点の間で、正確なカメラの動きやビジュアルの変化をデザインできます。明確に定義した開始 フレームと終了 フレームを設定すると、Veo 3.1が動きを自然に補間し、なめらかなシネマティックなトランジションを作り出します。
ステップ1:開始フレームを作成する
Gemini 2.5 Flash Image で最初の静止フレームを生成し、構図、ムード、ライティングを定義します。
プロンプト例:
暗いステージで、ヴィンテージのマイクに向かって歌う女性ポップシンガーのミディアムショット。ひとつのスポットライトが正面から彼女を照らし、目を閉じて歌う彼女の深く感情的な瞬間を捉えている。フォトリアル、シネマティックなトーン。

ステップ2:終了フレームを作成する
カメラの動きや変化がどこへ向かうのかを示す最終フレームをデザインします。視点、エネルギー、感情のトーンを調整して、一貫したシーケンスを組み立てましょう。
プロンプト例:
スポットライトが広がるにつれ、同じシンガーを後ろから映し出すワイドショット。カラフルなステージ照明に照らされた歓声を上げる観客が見える。エネルギッシュなコンサートの雰囲気、シネマティックなライティングのブルーム。

ステップ3:Veo 3.1でトランジションをアニメーション化する
「最初と最後のフレーム」 ワークフローを使って、両方の画像をAtlabs内のVeo 3.1にアップロードします。完全にコントロールできるよう、動きと音を説明するガイド用のプロンプトを加えましょう。
プロンプト例:
音楽が高まるなか、シンガーの顔から上昇して観客を見せる、ゆっくりとしたクレーンの動き。音声:観客が拍手喝采に沸く、ライブパフォーマンスの空気感。
このアプローチなら、構図、動き、音声を1つのまとまったシネマティックな瞬間へ融合させながら、物語の展開を思い通りに演出できます。しかも、すべて1つの効率的なAtlabsワークスペース内で完結します。
ワークフロー2:「Ingredients to Video」で会話シーンを構築する
このワークフローは、カメラアングルが変わってもキャラクターの外見や舞台設定が一貫している、複数ショットの会話シーケンス を作るのに最適です。Veo 3.1の 、映画としての連続性を保ちながら自然で同期した会話を生成できる能力を活かします。
このワークフロー全体は、Atlabs.ai 上で直接試せます。ビジュアルの参照にはGemini 2.5 Flash Image(Nano Banana) を、それらの静止画に動きと音声を与えるにはVeo 3.1 を組み合わせます。
ステップ1:「素材(Ingredients)」を生成する
まず、Gemini 2.5 Flash Imageを使って、各キャラクターと環境の参照画像を作成します。これらの静止画が基盤となる要素(「素材」)として、シーケンス全体を通じてVeoのスタイル、ライティング、一貫性を導きます。
設定例:
探偵:使い古したトレンチコートを着た中年の男性、薄暗いオフィス、シネマティックなノワールの雰囲気。
女性:暗い色のドレスをまとった、優雅で謎めいた人物。顔を柔らかな暖色の光が照らす。
舞台設定:木製のブラインド、デスクランプの光、立ちこめるタバコの煙がある、古い探偵事務所。

ステップ2:Veo 3.1でシーンを構成する
Ingredients to Video 機能を使って、生成した参照画像をAtlabs.ai上のVeo 3.1にアップロードします。これにより、モデルがあなたのキャラクターと環境を、リアリティと連続性の拠り所として使えるようになります。
プロンプト1:
提供された探偵、女性、オフィスの画像を使って、デスクの向こうにいる探偵のミディアムショットを作成してください。彼は女性を見上げ、疲れた声で言う。「この街にいくらでも事務所があるのに、よりによってうちに来るとはな。」
プロンプト2:
提供された探偵、女性、オフィスの画像を使って、女性に焦点を当てたショットを作成してください。彼女の唇にかすかな謎めいた笑みが浮かび、こう答える。「あなたは、とても評判がよかったから。」
プロンプト:
ワークフロー3:タイムスタンププロンプト
タイムスタンププロンプト は、1回の生成の中で複数ショットのシネマティックなシーケンス を演出する強力なテクニックです。プロンプトを時間区切りのセグメントに分けることで、ショット間のビジュアルとスタイルの一貫性を保ちながら、正確なペース、カメラの動き、感情の流れを定義できます。
このワークフローは、複雑なストーリーテリング やシーン単位の映画制作に特に便利です。そこでは、それぞれの瞬間が次の瞬間へ自然に積み重なっていきます。この方法は、Atlabs.ai 上でVeo 3.1を使って直接実践でき、映画のようなコントロール、サウンドデザイン、ビジュアルの連続性を、1つの効率的なプロセスで実現できます。
仕組み
各ショットに特定の時間枠(秒単位)を割り当て、そのセグメントで起こることを記述します。Veoはこのシーケンスを、あなたの指示に沿ってショット、トランジション、音声をブレンドした、1本の連続した短編映画として解釈します。
AtlabsでVeo 3.1を使って制作を始めよう
Veo 3.1は、受け身の生成から能動的な演出 への転換点です。クリエイターが、映画制作者のように考え、計画し、実行できるようになります。1枚の画像をアニメーション化する場合でも、会話中心のシーンを作る場合でも、タイムスタンプの精度で完全なシネマティックなシーケンスを指揮する場合でも、Veo 3.1は、文章で書いたアイデアを生きた物語に変えるためのツールを提供します。
Atlabsなら、Veo 3.1をGemini 2.5 Flash Image(Nano Banana) とともに、1つの統合されたクリエイティブワークスペースで利用できます。映像と音声をデザインし、磨き上げ、完成したシネマティックな瞬間へとつなげることが、これまでになく簡単になります。
このガイドで紹介したすべての機能は、Ingredients to Video から最初と最後のフレーム 、そしてタイムスタンププロンプト まで、Atlabs.aiで直接お試しいただけます。
さあ、あなたが演出する番です。
想像力を動きに変えましょう。
今すぐAtlabsでVeo 3.1 を使って制作を始めましょう。
















